デビュープロジェクト クッキングカフェ
ニンテンドーSwitchから24年11月14日に発売された「デビュープロジェクト クッキングカフェ」。
Chrome版もあるらしいのだが、私が購入したのはSwitch版。この手の「お店屋さん」系ゲームは好きだし、絵もやや子供向けな雰囲気ながら可愛い感じだったので、さっそく購入して少し遊んでみた。
起動させると表示されるディースリー・パブリッシャーのロゴ。
ああ、これディースリー・パブリッシャーが作っているんだあ……とぼんやり眺めて、一拍置いて「え!?」と目を見開いた。懐かしい……街ingメーカー大好きだったんだけど、あれSwitchに移植してくれないだろうか……。
ざっくりとゲームの内容を説明すると、プレイヤーは新人カフェ店員となり、店長や先輩に教えてもらいながら料理を作る。
作った料理は自動的にSNSに投稿され、ハッシュタグがついて紹介されて広まり、人気がUP。高評価をもらえると店員としてのランクが上がり、作れる料理が増えていく……という流れ。
SNSへの投稿は自動でやってくれるので、プレイヤーは何をするかというとひたすら料理を作る。
ゲーム開始後はまずキャラメイク。
キャラクタの名前を登録し、外見を決定。外見の方は後から変えられるので適当でもいいが、名前はたぶん変更不可。慎重に決めましょう。
性別は特に選択肢が出てこないが、見た目からして女の子。
キャラメイクでどの程度細かく外見が変更できるかと言うと、「肌色5種類」「髪型5種類」「髪色5種類」「目の色5種類」「目の形5種類」「ユニフォーム5種類」、たぶんこれぐらい。あまり細かな作り込みは期待できない。
セーブデータは一つだけ。
特に難易度の設定などはない。
必要な項目を決めれば、いよいよゲームスタート。
カフェ店員デビューです。
ひたすら料理を作る
店長や先輩店員と挨拶を済ませた後は、さっそく料理開始。
最初に作れるのは基本のパンケーキだけなので、まずはそれを作ってみることに。
お店の中にはお客さんがいるので、お客さんの吹き出しをクリックするとオーダーを受け付けたことに。
唯一の持ちネタ……いや、持ち料理であるパンケーキを作成。
料理は単に選ぶだけではなく、簡単な操作をして「調理」する方式。
例えばパンケーキの場合、
1:お客さんに注文されたサイズにピッタリの生地を鉄板に流し込む。生地の分量がちょうどのところでAボタンを押してストップ。
2:丁度よい焼き加減のところでひっくり返す。移動するスライダーが合格ラインに来たらAボタン。
3:具材をトッピングする。
4;自分の好みで追加トッピング。お客さんによっては「フルーツを追加してカラフルにして」などの注文があり、上手くこなせると評価が上がる。
こんな感じ。
料理を作り終えると自動でSNSにアップされ、トッピングの内容などによって「チョコ&ストロベリー」「クリームたくさん!」などのハッシュタグがつく。ハッシュタグがたくさんついたほうが高評価を得やすいようだ。
評価が上がるとプレイヤーの「店員レベル」や料理のランクが上がり、トッピングの具材が増えたり作れる料理が増えたりする。
基本、この繰り返し。
お客さんのオーダーは「王道パンケーキ」や「チーズハンバーグ」などメニュー通りのものを頼んでくることもあるし、ハッシュタグが付きそうなオーダー、つまり「野菜たっぷり」などの好みの指定だけして、料理はこちらに任せてくることもある。
料理の操作はボタンを推したりスティックを回転させたりする程度で、子どもでもできる簡単なもの。
パンケーキはボタン押しだけだが、クレープは生地を広げるためにスティックを回したり、丁度よいタイミングでのスティック操作を求められる。どちらにせよ簡単な操作で、アクションゲームが苦手な私でもできるレベル。
で、このゲーム面白い?ってことなんだけど……
しばらく遊んで、店員レベルが8に。
とりあえず料理のカテゴリは全て開放され、けっこう色々作れるようになりました。
で、このゲーム面白い? ってことなんだけど。
微妙。
いや……つまらなくはないんですよ。
キャラの絵は可愛いし、作れる料理が増えていくのも楽しい。トッピングに使える具材も多いので、同じ料理でも色々デコって見栄えにも拘れる。
ただ、ストーリーらしいストーリーはないし(店屋系のゲームはだいたいそうだが)、本当にひたすら料理を作っているだけなので、けっこう飽きるのも早いというか……。
以下、「ちょっと物足りないなあ」と思う点をあげていこうと思う。
「クッキングカフェ」の物足りないところ
1;ほぼ同じセリフしか言わないキャラ
このゲームに登場する、プレイヤー以外のキャラはほぼ3種類。
お店の店長、先輩店員、そしてお客さん。
まず店長は何をするかというと、「朝礼でその月の目標を話す」「終礼でその日の成果をまとめる」「プレイヤーに課題を出す」、ほぼこの3つ。店の評価が高まるとお店をリフォームするイベントが起きるのだが、それ以外ではこの3パターンを繰り返していると言って良い。
このゲームの進行は1ターンが一週間になっており、四週間がすぎると一ヶ月。
朝礼は一週間の始まりに1回、終礼が一週間の終わりに1回。
朝礼では店長が決めた月の目標を確認するわけで、つまり1ヶ月間4回。ずっと同じことを述べてくださる。2周間目ぐらいで月目標を達成していると、朝礼の時間は全くの無駄。
終礼の方はその日の成果なのだが、特に注意して見ておかねばならない数字でもなく、なくても良いレベル。
その間、店長のお言葉は「今日もがんばりましょう」「今日もがんばってくれたわね〜」程度。
もはや朝礼と終礼がテンポを悪くしている気すらする。
時間進行は一週間単位。
その間にプレイヤーは最初は2回、店員レベル8の現在では3回料理を作る。
そして1回作るごとに時計が進む演出が挟まり、一週間の最初と最後には店長のお言葉。このテンポの悪さもやや微妙な点か……。
先輩店員の方は別にライバルでもなく、プレイヤーのサポートキャラとしてお店にいる。
だけ。
一応、客からオーダーを取った後、自分で作りたくなければ先輩に任せることもできる。
が、何しろ料理を作る以外にやることがないゲームなので、ここで先輩に仕事を投げると何もすることがない。
店内画面で先輩に話しかけると、現在の流行を教えてくれることもある。「このハッシュタグが流行っているから、こういうトッピングするといいよ」と教えてくれて、序盤はそれなりに役に立つ(聞かなくても全く困らないが)。
が、プレイヤーの店員レベルが上ってくるとハッシュタグがつきやすくなるからなのか、先輩も「流行に気を配るといいよ」「流行りに気づいたら教えるね」ぐらいの、雑談レベルの話しかしなくなってしまう。壁際にずっと立っているだけ。
いっそこの先輩がライバルとなり、先輩より評価を稼がなくてはならないというような要素でもあればもう少しマシだった気もするのだが、店員レベル8の現時点ではただの壁の花である。かわいいからいいけど。
お客さんは店にいる普通の客の他に、イベント的に店を訪れて料理を注文し、気にいると「宣伝するね!」と言ってくれるちょっと特別な客もいる。
が、この特別なお客さん、突然店に来て適当に少し会話して、注文して帰るだけ。後からたまにセリフを挟んでくるが、ほぼ存在感がない。
そして料理のカテゴリが全て開放された時点でも、この「特別な客」は陽気なアメリカン風の青年とインフルエンサーの女性の二人のみ。
おそらくゲームが進めば他にも登場するのだと思うが、現時点でいてもいなくても大差ない存在でしかない。
お店にいる普通の客は、若い女性客2種類程度、青年、年配男性、ぐらいしか種類がない。
そして反応はだいたいいつも同じ。もう少しパターンを作っておいてほしかったが、年配男性が可愛いので良しとする。
2:店のリフォームはプレイヤーが操作できない
これが一番、物足りないところ。
店の評判が高まると、店長が店のリフォームをしてくれる。
最初はテーブルクロスが設置される程度だが、次第に二階席が増えたり店の外にキッチンカーが設置されたりする。見た目には華やかになるのだが……。
このリフォームの内容、プレイヤーが選ぶことはできない。
一応、店長がリフォーム前に「どうしようかしら?」と聞いてきて、選択肢が与えられる。が、その選択でリフォームが変わっているのかは不明。オートセーブされてしまうし、セーブデータが一つなので確認できなかった(確認する方法はあるだろうけど、面倒で調べる気にならない)。
いずれにしても店内の背景絵が変更されるだけで、プレイヤーが家具を設置したり変更したりはできない。
お店の売上で家具を購入し、入れ替えできるようなシステムがあればそれだけでかなり遊びの幅が増えたと思うのだが……。
二階が増えたりキッチンカーができたりと、見た目に派手な改装も行われる。
が、プレイヤーが家具を設置したりはできない。
せめてキッチンカーの色などを選ばせてくれれば……。
3:料理の操作もわりと飽きる
プレイヤーが作れる料理のカテゴリは8つ。パンケーキ、ケーキ、ソフトクリーム、クレープ、オムレツ、ハンバーグ、サンドイッチ、そしてドリンク。
操作が簡単なのはありがたいのだが、それだけに飽きる。
パンケーキなどのカテゴリから、さらに南国風だの猫さんパンケーキだの何種類か作れるのだが、基本、操作は同じ。
トッピングの種類が多く、具材の見た目にも可愛いものが多いのでデコるのは楽しいのだが、やはり途中でダレてくる。
なお、料理に必要な操作は簡単ではあるが、フルーツサンドだけは別。
サンドイッチ系は「パンを切る」「具を乗せる」「トッピング」の工程で作られ、この「具を乗せる」はポケモンSVのサンドイッチと似た操作で行われる。つまりパンの上で具を落とすのだが、フルーツサンドだけは必要な具材に対してパンの面積が小さすぎて、何度やっても具が落ちる。
たぶんちゃんとできる方法があるのだろうが、私はフルーツサンド相手に連敗を続けている。
どうやって綺麗に乗せるんだこれ……。
とはいえ、面白くないわけでもなく……
かように色々と不満な点をあげてみたけれど、じゃあつまらないのかというと、そうではない。
カラフルで可愛い料理の画面は楽しいし、トッピングに使える具材が多いので同じ料理を作っていても出来栄えは変わる。
まだ店員レベル8、料理のカテゴリは全て開放されたが、種類はまだ開放されていないものもある。
なので、全てのメニューが作れるようになれば、なにか進展もあるかもしれない。
そうでなくても、簡単な作業で見た目に可愛い料理ができて、それがSNSにアップされ色んなハッシュタグがつくのは見ていて楽しい。
ただもう少し、なにか「遊べる」要素があればという感じ。
もう少し客の種類と反応にバリエーションがほしい。これは切実に思う。何しろ「注文受ける」→「作る」→「提供する」の繰り返しでほぼそれ以外にやることがないので、客の反応が単調だと一気にモチベーションが下がる。
プレイヤーの店員レベルも、料理のカテゴリが増えているときにはできるこが増えるので楽しいのだが、8種類全て開放されてしまうと「あ、なんかレベル上がったわ」程度のイベントになってくる。
これで店員の髪型や洋服などが増えれば、かなり夢中になって遊べそうな気がするのだが……。
DL版、パッケージ版、ともにお値段4980円。
私としてはその値段分ぐらいは遊べそう、という感じ。
操作は簡単なので、子どもでも遊べるのはオススメできる点(ただしフルーツサンドは除く)。
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